住民票海外転出届
「海外転出届けを出す」とは、一般的に言う「住民票を抜く」行為のことです。長期の海外滞在や国外に移住する場合に必要な手続きの1つですが、必ずしなければならない「義務」という訳ではありません。日本にいない間は、日本の行政サービスを受けることが出来ないのですから、それらに対して料金を払う必要はありません。
行政サービスに対する支払い(住民税、年金、健康保険金など)の停止を行政に対して申し込むのが、この転出届提出ということになります。個々人の事情によって、転出届けを出しておいた方が良い場合と、そうではない場合がありますので、海外滞在予定期間の長さや、自分にとってのメリット、デメリットを比べた上で、転出届を出すべきかどうかを決めると良いでしょう。
手続き方法
転出届を出す場合、転出予定日の14日前から市役所、区役所等の窓口で手続きが可能です。転出する本人、または同世帯の人が以下のものを役所に持参し手続きします。転出後14日以内に届け出ることも可能です。ただし、それ以降になると過料がかかる場合があり、またパスポートの「出国スタンプ」のコピー提出が必要になってきます。
- 手続きをする人の、本人確認が出来る証明書(パスポートなど)
- 住民基本台帳カード(交付されている場合)
- 国民健康保険証(加入している場合)
- 後期高齢者医療証(加入している場合)
- 介護保険被保険者証(加入している場合)
- 届出を代理人が行う場合は、転出する本人からの委任状
転出届けを出すメリットとデメリット
海外転出届を出すということは、その間日本での行政サービスを受けませんと宣言することです。それに伴って以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット
- 国民年金の強制加入義務がなくなり、年金を支払わなくて良くなります。在外期間中は、年金を支払っていないにも関わらず受給資格期間としてカウントされます。年金は、最低25年間払ってないと受け取ることが出来ないものですが、在外期間の年数もこの25年に含まれます。ただし、支払っていないのですから受給額は減額されます。将来の年金額のために、海外にいる間も払い続けることを希望するのであれば、それも任意で可能です。
- 1月1日以前に届け出を出した場合、翌年以降の住民税は免除となります。滞在が何年に及ぼうと、その間住民税の支払い義務はありません。
関連ページ:国民年金
デメリット
- 国民健康保険は適応されなくなり、保険証の返納が必要です。健康保険料を払わなくてもよくなるという意味では、メリットともとれますが、日本に一時帰国している時に病気や怪我をした場合に、保険が利かずすべて自己負担となります。親の健康保険に被保険者として組み込まれている場合などは、脱退することでの経済的メリットはあまり大きくありませんので、そのままにしておく方がよいかもしれません。
- 選挙権が一時的になくなります。海外転出してからも在外選挙届けを出すことで海外から選挙することは可能になりますが、手続き完了までに数ヶ月かかります。海外転出届をしていない場合、普通に選挙権がありますが、投票のためには日本に帰国する必要があります。
関連ページ:国民健康保険
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